経営コンサルティングストーリー 事業再構築物語
地方の小さい会社と自営業者を応援する経営コンサルタント  伊東コンサルティングオフィス
      中小企業診断士  伊東 伸
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事業再構築物語
 
がんばれ! 山田さん
 
 




 
5.コンサルタント再度登場
 

山田  こんなこと、考えるのはムリちゃうか!

花子  えっ?!

山田  こんなにいろいろなことを書けるわけないやろ!
    やっぱり、自分らの考えているようにするのが
    一番やないか?

花子  ちょ、ちょっとお父さん、何をゆうてんの?

山田  そやから、俺ががんばればいいんやし、
    お金を遣ってまで、偉い先生に頼まんでもええ!

花子  何をアホなこと。
    自分でできないから、頼むんでしょう!

山田  そやかてお前、こんなこと考えられるか?

花子  私は、これ大事なことやと思う。
    そら、今すぐに全部記入するのは難しいと思うよ。
    だけど、『こんな視点で考えるのか!』って、
    思わない?

山田  それはそうかもしらんけど...


 コンサルタントから「やってみて」と手渡された資料。
 それは、事業の現状を見つめるために、今やっていることを大切な要素別に書き出していくものでした。
 ところが、目先の売上を追いかけ、書籍等で成功したという事例をマネしたり、思いつくアイデアを実施している山田さんには、中身よりも40枚を超える量が、拒絶反応となったのです。



花子  なあ...もう1回、来てもらおうか?
    私も一緒に聞くし。

山田  ...

花子  ええな。とりあえず、頼んでみるわ。


〜 数日後 〜


伊東  なるほど、話はよくわかりました。

山田  こんないろいろなことを書くのは、
    とてもじゃないですがムリです。
    もっとカンタンなものがあったらしますが。

伊東  そういう声は、よくいただきますよ。
    でも、これでも基本的な部分だけなんですけどね。

山田  えっ〜! それだと益々ムリです。

花子  お父さん、そうやって、すぐにあきらめないの!
    ムリいって来ていただいているんだから、
    聞きたいことを、全部聞かせていただいたら。

山田  そんなこと、人前でいうなよ。格好悪い。
    じゃあ、え〜と...
    たとえば、この個人の財産ってどうして要るの?

花子  お父さん、じゃあ、って何よ。

伊東  あはは(笑)、仲の良いご夫婦ですね。
    で、個人の財産ですか。
    これは、ご家庭の将来設計を見る、ためです。
    子供さんが大きくなったら、お金もかかりますし、
    何があるかわからない世の中ですから、
    万一、というケースだって想定しておかないと
    安心して商売に打ち込めません。
    ホントウは、毎月の生計費や将来の資金設計まで
    考えておいた方がいいんです。

花子  確かにネ、大事なことだわね。

伊東  たとえば、山田さん。
    毎月の生計費にいくら必要かご存知ですか?

山田  いや、家計は家内が全部。

伊東  じゃあ、自分の生命保険は?

山田  確か5千万くらいかな...

花子  退職したときに1つ解約したから、2千万だよ。

山田  あ、そうだったっけ。

伊東  まあ、普通の人はそれくらいの感覚です。
    資産に余裕があったり、大繁盛しているのなら、
    それでも大きな問題にはならないでしょうが、
    ギリギリの範囲で動いているのなら、
    家計の状況を知ることは、とても重要ですよ。


 それから2時間。山田さんと花子さんは、次々に疑問を投げかけていきました。あれだけ量に圧倒されていた山田さんも、少しずつ、やらなければならない、という気になってきたようです。


伊東  とりあえず、できる部分だけで構いませんから、
    急いで、やってみてください。
    それから、この間アドバイスしたように、
    売り場の改造もね。
    今から手を打っておけば、秋物シーズンの頃には、
    十分挽回できると思いますよ。

山田  わかりました。できるところから、はじめてみます。

花子  それで、伊東さん、
    もし、これからもずっとお願いするとしたら、
    いくらくらい必要ですか?

伊東  コンサルを、ですか?
    そうですね...
    どれくらい訪問するかによりますけれど、
    個人事業の方だと、1回2時間を月2回で3万、
    というのが一番多いですよ。

山田  すると、4時間で3万ですか。良い商売ですね!

花子  何を失礼なことをいってるの、お父さん。
    訪問ばかりされているはずないでしょ。
    現に、今日もこの間もタダでお願いしたんだから。
    伊東さん、すいません、失礼なことをいって。

伊東  いえいえ、構いませんよ。
    花子さんは会計事務所で働いておられたから
    ご存知だと思いますが、
    僕らの仕事は眼に見えないサービスですしね。

    今日アドバイスをして、その通りにやってみても
    それで明日、突然売上が何割も増える、ってことは
    絶対にありません。
    どちらかというと、年間で36万使って、
    もちろんお二人の仕事量も増えますけれど、
    それで、たとえば利益が100万円増えるとか
    使ったお金と労力以上のものが得られたら、
    コンサルティングとしては成功というわけです。

山田  すぐには効果は出ないってことですか?

伊東  一般的には、そうですね。
    目先のことだけを考えたらいいのであれば、
    いろいろと方法はありますが、
    地方では長い眼でみたらマイナスになるので、
    短期的な手法を使うことはオススメしません。
    
    それに、衣料品というのは、
    毎日買うもんじゃないでしょ。
    売上は『じわっ』と減ってきたと思いますが、
    増えるときも、一緒ですよ。

山田  どうして目先はダメなんです?

伊東  だって、
    衣料品って必要じゃなければ買わないでしょ。
    それに、この場所だと、
    特に用事がなければ来ないじゃないですか。
    
    そんな状況の中で、
    今まで一度も来店されたことがない人を
    短期間に集めようと思ったら、どうします?
    値引とチラシで集めることになりませんか?

花子  そうねえ。
    私がお客さんだったら、安くないと行かないかな。

伊東  でも、安さで来るお客さんというのは、
    次も安くないと足が止まるんですよね。
    最初のきっかけにする意味ではいいのですが、
    来店されたときには、品揃えやセンスなど、
    安さ以外のモノを感じてもらわないといけないし、
    次につながる仕掛けも必要になります。

    もし、『思ったほど安くないし魅力もないな。』
    って感じられてしまうと、
    次は普通の仕掛けでは来て貰えないですよ。

花子  そうかもねえ。お父さん、わかるでしょ?

山田  そやけどなあ...

伊東  山田さん、はっきり言っておきますが、
    商売には、魔法はないんですよ!
    ないものをいくら探しても、時間のムダです。
    繁盛店の話は、ほんの表面の話です。
    そこに至るまでの地道なプロセスこそが
    成功のカギなんですからね。
    じっくりとやっていけば大丈夫ですよ。
    まずはお二人で、よくご相談ください。


 知り合いということもあって、素直に受け容れる花子さん。あいかわらず、楽をしたがる山田さん。これから、2人に、劇的な変化が待ち構えています。

  
  
 
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