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売り場へやってきた3人。コンサルタントは何も言わずに、店内を見てまわっています。山田さんと花子さんは、何を言われるかと、もう内心ドキドキです。
伊東 商品はこれだけですか? 倉庫とか、別にありますか?
山田 いえ、ここにあるのが全部です。
伊東 そうですか...
コンサルタントはそれを確認すると、また歩きだしました。
伊東 ざっと拝見したところですが、下代(仕入値)で
150万くらいですか?
山田 年末の棚卸以外は計算してないですが、
夏物が入っているので、もう少しあるかも。
伊東 なるほど、もう少しあるかも...
また沈黙が続き、ようやく店内をすべて見回りました。
伊東 山田さん、仕入はどんな基準で?
山田 基準といわれても...
以前から取引している問屋に行ったり、逆に来て
もらったりして、ウチのお客さんに合うような
デザインや価格の商品を選んでいます。
伊東 委託で受けているようなものは?
山田 委託はないです。全部買い取りです。
伊東 上代(売値)の設定なんかはどうされてます?
山田 元々ついている価格をベースにしています。 売れないものは、都度値引いています。
伊東 ああ、この辺りの商品ですね。
山田 そうです。もう暑くなってきていますが、
半袖では寒いときもありますし、
女性ですから冷え性の方も多いですから。
といっても、半額では赤字ですが。
伊東 客層はヤングミセスからおばちゃんまでですよね。
山田 そうです。でも、若いお客さんは少ないです。
だいたい、40代以上が多いです。
伊東 なるほど。 じゃあ、僕の見たところをお話します。
花子 先生、ビシッ!と指摘してください。
伊東 まず、商品にも売り場にも元気がありません。
店内を歩いても、見てください、買ってください、
って、商品から何も訴える感じがしません。
山田 ...
伊東 わかりやすくいうと、商品が置いてあるだけです。
今の時期だったら、だんだん暑くなりますから、
この辺りのカットソーやあっちの薄手の羽織モノが
一押しになると思いますが、違いますか?
山田 そうです。この夏に向けて仕入たものですから。
他にも、このシャツやあっちにあるスカートや
パンツなどが売りたい商品です。
伊東 ですよね、でも、何が一押しなのか、
それを買うとどんないいことがあるのかが、
みていても、全然わからないですよね。
第一、入り口からでは見えないですから、
まったく気がつかないですよ。
山田 でも、みなさんすっと入ってこられますが?
伊東 そりゃあ、常連さんはわかってますからね。
花子 先生、POPをつけろ!ってことですか?
伊東 それもありますし、陳列の仕方、陳列場所の決定、
個々の商品につけるタグなど、全部の話です。
とりあえず、一押しの商品については、
入り口から一番良く見えるこの場所に移動して、
オススメマークをつけましょう。
ここが一等地ですから。
お店の中で、一番目立つ場所に一番売れる商品を
置くのが原則です。
花子 なるほど〜。いわれてみれば、そうですよね。
伊東 それから、どこに何があるのかがわかりにくい。
トップス、カットソー、Tシャツ、羽織モノ、
パンツ、スカート、小物など、わかりやすいように
単品別に陳列してください。
ハンガーが空いているからここに、というのはダメ。
また、壁面にディスプレイしているものは、
価格POPか商品説明のPOPをつけておくこと。
で、この辺りの低価格商品は入口の近くにおいて、
外からよく見えるように、少し大きめの価格POP
をつけておきましょう。
山田 はい...
花子 先生、POPはどんな感じで作れば?
伊東 難しく考えなくてもいいです。
POPの基本は、目立つこと、見やすいこと、
わかりやすいこと、です。
それには、POPに使う用紙の大きさと色に
注意してください。
たとえば、黄色の紙は、目立るが安っぽい。
全部黄色にすると、安売りの店、になりますから、
少し気をつけてください。
もっとも、いろんな色を使うというのは、
意味不明となりますから、3〜4色程度で。
文字の色も同じです。
花子 わかりました。
伊東 あと、品揃えが少ないためか、
何でもありそうで何にもないって感じがします。
ブティックじゃないのですから、こんなに広く
通路スペースを取る必要もありません。
それより、もっと商品を仕入れましょう。
山田 でも、売れなかったら大変です。
伊東 と、こわごわやっていると、縮小均衡になります。
ひょっとして、今仕入れている商品も、
お客さんの要望を聞きすぎなのかなあと思います。
1人や2人の要望があっても全員とは限らない。
まったく、まとまりのない品揃えになりますよ。
山田 ...
伊東 まあ、一度にあれもこれも、はムリですから、
とりあえず店内は今いった箇所に注意して、
一度動かしてみてください。
花子 わかりました。
伊東 山田さん、いいですよね?
山田 はぁ...
こんなことをいうと叱られそうですけれど、
今まで何をしてたんでしょう?
一気に自信がなくなってきました...
伊東 何いってるんですか。
大丈夫ですよ、心配しなくても。 売れないのは売れない理由がどこかにあるんです。
それは、価格かもしれないし品揃えかもしれないし
陳列かもしれません。
答えは一生見つからないですから、
少しでもこうした方がいいと思ったことをやる。
じっとしててもよくはなりませんから、
まず気付いたことをやる、
その結果を見て、また次をやる、の繰り返しです。
花子 そうよ、お父さん。
落ち込んでるヒマはないんだよ。
おやおや、山田さん。早くもギブアップでしょうか? この続きは次回のお楽しみ。
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