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ターゲット層を変えるという革命に乗り出した山田さん。この2週間というものは、それこそ寝食を惜しんで、仕入商品の展開、店内ディスプレイの変更、常連さんへの案内、近隣へのポスティングと、できることはすべて手を打ちました。
明日はいよいよ、リニューアル開店です。
伊東 うわぁ、一気にイメージが変わりましたね。 これ、全部自分たちでやられたんですか?
山田 そうです。
やればできるものだなあ、と
昨夜も家内と話してたところです。
伊東 大変だったでしょう。
山田 そりゃあね。
でも、先生がやれ!って仰ったんですから。
花子 そうですよ。
正直、できないかも? なんて思ってましたが、
何とかカタチにはなりました。
この間は、お店を閉めてまでやりましたからね。
伊東 えっ? そこまでされたんですか?
山田 ええ、どうせ売るものもありませんでしたし。
それより、
今年は先に夏物を処分しておいて良かったです。 まさか、ここまで暑くならないとは。
もし、例年通りに、
8月半ばから処分セールをやっていたら、
今ごろは、どんな有様になっていたことか。
伊東 確かに、ヒドイ天候でしたからね。
天気ばっかりは、どーしようもないですけど、
あまりにヒドイとねえ。 それはさておき、明日からはどんな感じで?
電話では、
気持ちだけでもリニューアル、ということで、 DMとポスティングをされたって聞きましたが?
山田 ええ、最初は徐々にやるつもりでしたけれど、 どうせなら、って思って。
これが、DMと撒いたチラシです。
伊東 なるほど。
DMは、お話した通り、うまくできていますね。
それに比べると、チラシは改善箇所がありますね。
今回は、出したことに意義があるのでいいですが、
次回はチェックしますね。
花子 はい、お願いします。
ところで、先生、
一つ見てもらいたいものがあるんですよ。
伊東 何ですか?
花子 ちょっと待ってくださいね。 奥に置いてあるので、取って来ます。
花子 先生、これ、どうですか?
伊東 うわぁ、いい看板ですね。 これも、手作りですか?
花子 いいえ、
これは主人のお友達に頼んで作ってもらいました。
以前、店頭が寂しいって仰ってたじゃないですか?
電飾の看板なんかより、
大きめのパネルの方が使い道もあるって。
それを思い出して、
急遽ベニヤで作ってもらったんです。
これに、
お店の名前を紙に書いて貼ろうと思っていますが、 そんなのは、不細工ですか?
伊東 いえいえ、そんなことはないですよ。 むしろ、その方がインパクトがあっていいです。
歩道にはみ出ても、
少しくらいなら怒られることもないでしょうし。 しかし、よく思い出されましたね。
これをアドバイスしたのは、
ずいぶん前のように記憶していますが。
山田 いや、先生。
ちょっと聞いてください。
正直いって、最初は半信半疑だったんですよ。
家内は、良い先生だから、っていうけれども、
いきなり、厳しいことをズバズバ指摘されるし、
どうなることか、と最初は思っていたんです。
伊東 はい。
山田 だけど、私も、
もう後には引けないところにきていますし、
家内もパートを辞めて店に専念する、
ってことになりました。
それで、先生の仰ることをやってみたら、
予想外に反応がいい。 7月末のセールも思ったより好調でしたし、
それに何より、
最近は、お客さんの声が変わってきたんです。
伊東 といいますと?
山田 最近、頑張っているようじゃない、って、
昔のお客さんだけじゃなく、隣近所の方も。
今までそんなことは無かったですからね。
で、この間、それを親父にいったら、
少しは認めてもらえたんじゃないかって。 明日から、どうなるかわかりませんけれど、 少し、やっていける自信がつきました。 どうも、ありがとうございます。
伊東 いえ、僕はアドバイスをしているだけですし、
それを実践できるかどうかは、お二人の力です。 それに、明日からが本当の勝負ですしね。
今のお気持ちを忘れずにしきましょう。 花子さんも、がんばってくださいね。
花子 はい、身体はクタクタですが、
ここで息をつかずにがんばります。 でも、本当に来てもらえるかなあ。 これだけやっていつもと同じだったらどうしよう? って不安もあるんです。
伊東 商売って、そういうもんですよ。 毎日、同じような数のお客さまが来られていても、
本当のところ、明日はどうなるかなんて、
誰にもわかりません。
だから、毎日、明日も来てもらえるようにって
できることをやっていく。 いわれてみたら、あたり前のことですけれど、
毎日が開店日の気分でやるべきですからね。
山田 毎日が開店日ですか。
サラリーマンの頃には、毎日が日曜日、
なんていっていましたが、 ほんと、そうかもしれませんね。
伊東 じゃあ、あまり長い時間お邪魔していると、
作業が止まりますから、今日は帰ります。 また、明日の夜、ちょっとのぞきに来ますので。
山田 そうですか。 それじゃあ、最後に一つだけ教えてください。
伊東 はい、なんでしょう?
山田 一応、リニューアルということで、
明日から先着100名さまに、
粗品プレゼントをやるんですが、それについて。
伊東 ああ、そういえば、チラシに書いてありますよね。
山田 それで、その粗品なんですが、
ハンカチがたくさんありますから、
これを粗品にと考えているんですが、
どうでしょうか?
伊東 ハンカチですか... うーん、どうかなあ。
確かに粗品ですから、
貰えれば、それはそれで嬉しいものですが、
ありがたみという点では欠ける感じもありますね。
花子 え〜、在庫も捌けるし、
一石二鳥だと思ったんですが、ダメですか?
伊東 ダメ、ってことではないですけれど。 そうですね...
パンストはこの間やったから...
フェイスタオルみたいなものはないですか?
山田 そりゃあ、売り物ですからありますけれど。
伊東 だったら、粗品にできるものはしてください。 原価は、ハンカチより安いものもあるでしょう?
山田 原価は安いですけれど、嬉しいですかね。
伊東 ハンカチは、デザインの好みもありますしね。
それに比べると、フェイスタオルは実用品ですし、
お年を召された方だと喜ばれるのでは。
花子 確かに、義母さんのカバンには、
ハンカチよりも汗拭きタオルだわね。
伊東 ですから、ハンカチとタオルをカゴに入れておいて 好きなものを選んでもらったらいいと思いますよ。
山田 なるほど、じゃあ、そうしてみます。 しょうもないことを聞いて、時間を取らせました。
伊東 そんなことないですよ。
ちょっとした気の配り方一つで、
イメージが大きく変わりますからね。
こういう部分こそ、
慎重に検討しないといけないんです。 じゃあ、今日は帰りますね。
山田 はい、ありがとうございました。
リニューアル開店前の一コマ。山田さんのがんばりに、お客さまはどんな答えを出すのでしょうか?
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