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花子さんにあれこれといわれるまま、気がついたら年末を越え、春の訪れを感じられる季節になってきました。
売上はリニューアル当初の目標には、まだ届かないものの、新しいお馴染みさんが増えてきています。また、暖かくなってきたせいか、義母さんとお話することを楽しみにして、古くからのお馴染みさんの顔を見る機会も増えてきました。
花子 ん〜、今日も疲れたねえ。
山田 ああ...
花子 暖かくなってきたから、お客さんも増えたね。
やっぱり寒いと外には出たくなくなるから、
これからがウチの稼ぎ時。ガンバロウ!
山田 相変わらず、元気やな、お前は。
こっちは、その春のイベントで苦しんでるのに。
花子 だって、お父さんが考える、っていうから。
何だったら、ワタシが考えましょうか?
山田 アホなことをいうな。
お金はお前しかわからん。
お客さんはお袋かお前がほとんど。
仕入れは俺の担当になっているけど、
お前らの意見を聞かないと仕入れられへん。
このままやと、俺のすることがなくなるわ。
去年の12月にコンサルタントと相談した花子さん。実はこんなアドバイスを受けていたのです。
伊東 ご主人はね。自分の立場がなくなるのを、
無意識に感じておられるんですよ。
花子 どういうことですか?
伊東 もともと業界の人じゃない。
婦人モノがメインなので、わからないこともある。
男性ですからね、ムリもない。
で、経理もわからないから花子さん任せ。
そこに加えて、僕がアドバイスをするから、
今までやってきた戦略というか販促なども、
自分が思ったようにはできない。
そりゃあ、男として、面白いわけがない。
花子 そんなどーでもいいようなことを...
伊東 どーでもいいようなことにこだわるのが、
男のプライドていうか、見栄だから仕方ない。
花子 じゃあ、どうしたら...
伊東 ですから、頼っている、ていう姿勢でやること。
たとえば、何したらいい? それでいい? って
ご主人の了承を得てから動くようにする。
しばらくそんな姿勢を続けていけば、
ご主人との仕事の分担も決まってくるでしょう。
花子 なるほど....
心理学みたいなもんですね。
伊東 みたい、じゃなくて、そのまま心理学です。(笑)
そんなことを思い出していた花子さんに、山田さんが声をかけてきました。
山田 ところでな。
伊東さんやけど、今は、忙しいのやろか?
花子 は?
そんなこと、ウチが知っているわけないやん!
山田 あ、そやな。
その...なんっちゅうか...
ちょっと相談したいことがあるんやけど...
花子 ふーん...何を。
山田 何って、まあ詳しいことはええやんか。
それより、頼んでみてくれよ。
頼んだで。
俺はこれから、他所のチェックに行くから。
そう言い残して、山田さんは外に歩き出していきました。あれほど面倒だといっていた競合店調査に出かけていく山田さんの後姿を見ながら、「ちょっとはしっかりしてきたんじゃない」とご主人を見直す花子さんでした。
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